超分散分割保存された大容量コンテンツの即時配信システムの研究開発

超分散分割保存された大容量コンテンツの
即時配信システムの研究開発NICT

独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)採択課題
「新世代ネットワークを支えるネットワーク仮想化基盤技術の研究開発」

課題ウ 新世代ネットワークアプリケーションの研究開発 ウ-2 新世代コンテンツ配信アプリケーション

新世代コンテンツ配信アプリケーションとして、超分散分割保存された大容量コンテンツの即時配信システムの研究開発を行う。

本配信システムは大容量コンテンツをパケットサイズに分割し冗長符号を付加した上で世界中のストレージに分散保存しておき、アクセス要求時には、世界中の各ストレージがパケットを送出することで、コンテンツのデータサイズに関わらず利用者のアクセスリンク帯域と同等のスピードでのコンテンツアクセスを実現しようとするものである。本配信システムは、これまでのTCPやUDPストリーミングを用いたファイル転送の方式とは完全に異なる many-to-oneの通信であり、冗長符号を有効に活用し多少のパケットロス等でのデータの欠損を許容することで再送を必要としない即時配信を可能にする。本システムの実現にあたり課題となるのが、大容量のコンテンツデータが受信端に瞬間的に集中することによって発生するネットワークの輻輳である。これは、データが超分散的に配置されているため送信側で送出前にトラヒック流量の制御 を行うことが困難であり、また送信側が送出するパケットは高々数パケットであることから受信側からのフィードバックを与えることも困難であることが原因で発生する。本研究開発では、この輻輳の問題をネットワーク仮想化基盤により回避し、上述の配信システムの実現を目指す。具体的にはネットワーク仮想化基盤に複数の仮想ネットワーク(スライス)を多重的に構築し、トラヒックの集中度合いに応じて、これらの仮想ネットワークを適宜使い分け切替えることでトラヒックの集中を回避する。またコンテンツデータに付加する冗長度もトラヒックの集中度合いに応じて変化させることで、トラヒックを削減しトラヒック集中を回避する。更に、本システムを用いて非圧縮 HD 映像や 4K 映像といった高品質大容量コンテンツの配信を行い、その実現可能性を評価する。

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